口径部を調整することで色々なサイズのボルトやナットなどを回すことが出来る工具です。サイズが自由に調整できるので、回したいボルト・ナットのサイズに合うレンチをもっていなかったときや、平行な面が2つある部品(L形コネクタなど)を回すときに使えます。
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モンキレンチの名称について確認しておきましょう。
現在のモンキレンチの原形となる工具を発明したCharles Moncky氏の名前に由来するという説や、モンキレンチの原形となった工具の頭部の形状が猿のような形をしているからという説があります。
「モンキー」や「モンキーレンチ」と呼ばれることの多いこの工具ですが、KTCではJIS規格の名称「モンキレンチ」を使用しています。
ちなみに、英語では調整式レンチという意味の「Adjustable wrench」と言われることが多いようです。
はじめにモンキレンチの口径部を調整しましょう。
まず柄の根元近くを握って親指でウォームを回し、ボルト・ナットが口径部に入るまで下あごを広げます。
次にウォームが回らなくなるまで下あごを寄せ、ぐらつきがないことを確認してから、奥までしっかり差し込んでボルト ・ナットを回しましょう。このとき注意する点は、回す方向です。上あご側に回すと、下あごがレンチから離れる方向に力が働き、下あごを傷めますので、必ず下あご側に回してください。
また、 スパナと同様、ボルト・ナットを2点でしかとらえないため、大きなトルクが必要な場合はボルト・ナットを6点でとらえるソケットレンチやめがねレンチを使用してください。
口径部がしっかりしまっていなかったり、斜めになっているとボルト・ナットの間に隙間が空いたり、かかりが浅くなって、モンキレンチが滑って外れたり、ボルトナットを傷めることがあるので注意しましょう。
「正しい使い方」の動画のようにモンキレンチをボルト・ナットに合わせてから、下あご側に回しましょうね♪
なるほど!下あご側だね!
スパナ類で、口径部に角度がついていることを説明したのは覚えているかな?
モンキレンチにも角度がついていますが、スパナ(15°)とは違い、22,5°(23°)の角度のことが多いです。それはなぜでしょう?
ヒントは、モンキレンチで回すものの「形」にあります。
モンキレンチは六角ボルト・ナットだけではなく、四角頭のねじや四角形の部材などを回すこともあるので、柄が大きく振れない狭い場所で効率よく90°を回せるように設計されています。詳しく、図で説明しましょう。
15°のタイプのモンキレンチもあります。KTCのフラッグシップモデルであるnepros(ネプロス)は、自動車整備に特化した工具として、15°のタイプのモンキレンチを設計しています。