組立て工場から歯科医療の現場まで、KTCは記録が残せるトルク管理システムで
作業とその品質の管理をより高度化し、作業のトレーサビリティをも実現した。
締結作業・記録・検査の3ステップの作業を、1ステップで正確に行い、全体の効率向上にも貢献している。
「見える化」から「測る化」へ進化した
デジタルトレーサビリティと品質管理
課題
- 組立工程におけるトルク管理にはプレセット型トルクレンチを使用し、一連のねじ締め作業が終わったところで「確かに締めた」という印をホワイトマーカーで付けていた。だが、これだけでは本当に締められたか分からない。
- 組立工程に問題があると、不具合のあった場所が分からない。すべての工程を遡って、解体しながら確認する必要があり、工場全体の作業が⾮常に停滞した。
- また、実際に不具合の個所が分かっても、どのぐらいのトルクで締めたかどうか、確認するすべがない。プレセット型トルクレンチでは、作業結果としての締付けトルク値が表示されないことから、現場では締付け不足を恐れるあまり、やや締め過ぎる傾向にあった。
解決提案
- 作業トレーサビリティ管理ではねじを締めた記録を自動で残し、締付けトルクはデジタルで表示。締め過ぎによる部品破損も回避した。
- バーコードや作業者による目視を廃止し、誰がいつ作業を行ったか(作業工程)の管理を徹底。作業にどれだけ時間を使ったか(タクトタイム)も管理。
導入効果
- ホワイトマーカーからデジタルトレーサビリティへ。トルク締結でのミスが無くなり、作業のトレーサビリティを確保でき、「見える化」から「測る化」に発展。
- 基幹業務システムに、メモルクのデータ通信による作業工程・タクトタイム管理を合体。製品一つひとつのトレーサビリティや品質管理も一気通貫させ、誰がいつ作業を行ったか(作業工程)や作業にどれだけ時間を使ったか(タクトタイム)の管理ができるようになった。
- 作業手順書は従来のように紙ではなくデジタル化してシステムに組み込まれた。これにより初級・中級者の作業レベルが上がった。
歯科医師や技工士の
微妙な力加減をデジタルで管理
〔歯科医師〕
課題
- 目標のトルク値は様々な要因から設定されているが、そのトルク値よりも緩い場合、振動等でさらに緩む。また締め過ぎた場合、インプラントが骨を破断してしまう恐れにより再施術のリスクがあった。
解決提案
- 微少トルクの計測と管理ができる。
- オーバートルクを防止できる機構。
導入効果
- 患者様へのさらなる安心・安全の向上。
- 締付誤差の少ない施術の実現。
〔技工士〕
課題
- スクリュー固定のインプラント技工物は、本来正確なトルク管理が求められるべきだが、それがなさず、技工士の作った部品が悪いという認識をされていた。
解決提案
- トルク管理を行い、大型または複数スクリューのある技工物に対し、締付のバラツキを少なくする。
導入効果
- 技工物製作での時間短縮。
- CAD/CAMによるデジタル化で技工物のギャップを埋める。
- 失敗率の低減に貢献。
- 歯科医師とのトルク情報の共有。
- 高度な技工物設計データとして活用。
- 医療機器製造販売業許可証
許可番号:26B3X1009 - 医療機器製造業許可証
許可番号:26BZ200052