KTCは、使いよさを究めたツールをつくるために一貫生産にこだわっている。
すべての生産工程で60年以上の歴史の中で鍛えられ、
理想を追求してきたものづくりへの想いが独自の技術やノウハウとなっている。
<熱間鍛造>
金属を鍛えて造るという名のとおり、強さを必要とする工具づくりには欠かせない鍛造製法。材料となる鋼に強大な圧力を加え内部組織を密にすると共に、理想的な鍛流線(金属組織の流れ)を形成することで、強度と粘りを増加させる製法である。
材料を熱してから成形する「熱間鍛造」では、約2,000トンの加圧力を持つハンマーを、金型に乗せた素材に打ち下ろす。その作業は極めて繊細で、打ち手の違いや材料のわずかな温度の差でツールの仕上がりに影響が出てしまう。
<冷間鍛造>
スパナやレンチなど複雑な形状のツールを美しく、しかも高精度でつくるために、熟練の職人たちは日々技術を研ぎ澄ましている。
常温で行われる「冷間鍛造」では、小型で単純な形状という条件はあるが、より美しく、より精度の高い製品を作ることができる。限りなく公差をゼロに近づけたソケットや、ラチェットの内部の精密な部品などは、ここから生まれる。
表面処理の工程では、研磨とめっきを行う。研磨用の石と研磨材を用いた「バレル研磨」では、製品の種類によって異なるサイズ、形、材質の石を用い、めっき作業の前の下地作りを行う。
neprosの生産工程では、専用の石と研磨剤によりさらに美しい鏡面仕上げを行っている。
ツールの表面を金属の薄膜で覆う「めっき」の工程では、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロムという3層のめっきを施し、耐腐食性、耐摩耗性を高めると共に美しい外観を実現する。
KTCは地球環境を向上させるため、循環型社会への貢献にこだわり、継続的な環境改善を推進している。企業活動と地球環境の保全を両立させるため、製品の設計段階から製造エネルギーの削減、メンテナンス性の向上、有害物質の排除、リサイクルなど3R(リデュース:発生抑制、リユース:再使用、リサイクル:資源再生)に徹した生産・製品の開発に取り組んでいる。